これはすごいよ、ドット絵キャラクターが動くんだよ!
 どこぞの映画のようなゲームを作っている会社のように、3Dグラフィックやポリゴンぐりぐりではなくオール2D絵で動くんだよ!
 それなのにその仕草が華麗で美麗なんだよ!
 オープニングで女の子が抱えた猫の後足が「まま、ぶらぶらしてる、ぶらぶらしてるよぅ」と叫んじゃうくらい華麗で美麗なんだよ!
 もうね、私なんかね、5分間方向キーの左右だけを押し続けてにへにへしてたよ!
 ゲームのような映画を作った会社のゲームでドロー(SE:ピカーン)なんかしている場合じゃないよ! ほんと!

 えーと、プリンセスクラウンはアクションRPGです。
 ムービーシーンとかは一切なく、丁寧に書き込まれたドット絵が動くことでで全てが進んでいきます。
 ということを上では述べたかったのですが、分かっていただけましたでしょうか?
 まあ、とにかくこのゲームはドット絵が凄まじいです。
 パッケージによると、モーフィングシステム(てなんですか?)を使って生み出されたアニメパターン数が、15000種類あるそうです。
 そりゃ、猫の後足もブラブラするさ。

 RPGとして見た場合はいわゆる一本道おつかいシナリオですし、移動中にとれる行動がアイテムを使う、しゃがんで物を拾う、誰か(含むアヒルやゴースト)と話す、移動のため歩くまたは走るで、調べることができないため気になるところを調べたりすることはできません。
 しかし、そのすべでの仕草が緻密なドット絵でかわいく描かれており、もう私なんかね、5分間方向キーの上下だけを・・・(略)。

 アクションRPGであるキモの部分である戦闘は非常に良くできています。
 苦手な人はただ剣をぶんまわして(非常に時間がかかったりダメージを受けたりしてしまいますが)力押しすればいいし、こだわる人はアイテム使用のタイミングやジャンプ攻撃、ダッシュ攻撃、必殺技といった各攻撃を使いこなすのに凝ってもいいです。
 ただ戦闘中はパワーゲージというものがあり、全ての行動はこれを消費(突っ立っていると回復)するため、いかに上手くなっても延々と敵を殴り続けることはできません。
 また敵にのみカウンター攻撃というのがあり、殴っている最中でも急に無敵になり殴り返してきます。
 少し理不尽かもしれませんが、要はある程度のターン制ってことですし、<呪術士の杖>やパワー全開状況維持アイテムなどを上手く使えば、瞬殺できるようにもなります。
 キャラクターのレベルがあがるより、プレイヤーのレベルが上がった方が強い敵と戦えるわけで、ゲームを通して自己の強さを確認できます。

 このゲームにはここでしか手に入らないというアイテムは、イベント関係を除きありません。
 それどころか戦闘中に敵が、使い切るのに苦労する程たくさんのアイテムを落とします。
 まあそのおかげで、余程のこと(始まって少したって操作に慣れてないときの、手負いドラゴン退治がきついくらいです。)がないかぎり死なないでしょう。
 ちなみに教会も王様もない(てーか、主人公が13歳で女王様!だし)ので死んだらセーブしたところからやりなおしです。死ななきゃいいんですけど。
 それはともかく、アイテム使用にも美麗ドット絵は力を発揮しています。
 何か (いろんな効果のある食べ物や、飲み物がある)を食べたり飲んだりすると、ちゃんと食べたり飲んだりして、食べたり飲んだりし終わるまで効果を発揮しないので、戦闘中に食事をする難しさが体験できます。
 おまけにその仕草がまたかわいいです。
 古今東西、焼き魚をもぐもぐ食べて最後に口に手をあてながらゴックンと飲み込むさまを、これだけかわいく緻密に描いたゲームがあったかこのやろうって感じですね。

 アイテムは自分で作れるものもあり、これは結構魅力的です。
 食材や薬草(薬の材料)、宝石(魔法がわりの魔法石になる)というアイテムがあり、自分好みのアイテムの材料集めをするのも楽しいです。
 とくに料理に関しては訳わかんないくらい気合い入っていて、フライパンや料理のスパイス、鍋というふつうのRPGでは出てこないアイテムを駆使して様々な料理が作れます。
 ちなみに最強の回復アイテム(HP回復大とパワー全開の同時効果)は料理をしてしか手に入れられません。
 なくてもなんとかなりますが、あると楽しいので、流しの料理人を気取ってみるのもいいかもしれませんね。
 もっとも主人公であるグラドリエルの職業は女王様!なのですが。

 このゲームはグラドリエルの視点で描かれるため、サブキャラたちについてのバックグラウンドは薄く感じられます。
 しかし、おばあちゃんが読んでくれる本はメインである<王冠の姫>の他に3+(1)冊あるのです。
 その本ではプロセルピナやエドワードといった、サブキャラを使用してゲームをすることができ、メインである<王冠の姫>を別の角度から見ることができます。
 これがなかなかよくできていて、エドワードがなぜドラゴンスレイヤーをしているのかや、なんでこの村にプロセルピナがいたのかが分かる作りになっています。
 やった人の中には、本編よりおもしろいという感想を抱く人すらいるようです。

 さて、恒例のお気に入りキャラですが、だいたい全部好きです。
 まぁ、悪グラドリエルや赤髪魔女(名前忘れた)バインでボイン(このゲームでは悪即○乳です。その巨○も変に緻密で美麗に描かれているため、友人sなどは「胸でなんか変なのが跳ねてる」と思ったそうです。)はデッサン的にどうかなあですが、それ以外は仕草がかわいいので甲乙つけがたいですね。
 一応、豪快な食べっぷり(がぶがぶぺろりでグラドリエルの上品さとの対比がグゥ)と、お供がガブリエルであると言うことでプロセルピナが一歩リードですが、僅差です。

 まぁセガサターンを所有していて、このソフトを持っていないのは人生の37%ぐらいを損してるといえるぐらいの良ゲームなので、損をしている人はもう終わったハードだしなどと言わず手に入れてみてください。

プリンセスクラウンのあらさがしぃ

 こんなに素敵なプリクラ(アトラスだから・・・)にも欠点があります。
 で、それをいちいちあげつらうコーナーです。
 なお、適当にほざいているだけなので影響されないように、君と僕の約束だ!
塔が長い。
 地上移動と違いロードは頻繁、洞窟よりも経由しなければならない通路が多い、正しい道順も分からない、セーブポイントもない、朝プリクラした時に困るのでなんとかしていただきたい。
色違いキャラが多い。
 容量がないおよびドット絵描くの大変だからだとは思うが、ボスキャラもそこらに出てくるのの色違いだったりしてちょとイヤン。
 全キャラが多彩な動きすることで自分を納得させたい。
説明書に間違いが多い。
 開発終了直前にゲームバランスのためいろいろいじくったのでしょうか?
 基本的なことなので1ゲーム好きとして改善を求めたい。
文責 綾
BGM:椎名林檎
”真夜中は純潔”