あかほりさとると広井王子というマニア御用達なタッグに、キャラクターデザインは藤島康介という豪華メンバー(と言うことになってるらしい)が制作した、サターンを代表するゲームです。
 なにしろセガとバンダイの合併話が出たとき、私の周り(友人ではない所に注意!)のプレステユーザーは「サクラ対戦PS移植か?」で大騒ぎし、合併話がお流れになったときにはプレステユーザーからプレステサターンユーザーに変身していたことからも、このゲームがオタクな人々にバイブルチックなものであることが分かると思います。

 このゲームはプレイヤーは大神陸軍少尉となり心まで鋼鉄に武装した帝国華撃団を率い、引き裂いた闇が吠えて震える帝都を、愛の花まき散らして救うはずなのですが、帝国華撃団の面子のほとんどが妙齢のネーチャンなので、ダメ人間大神少尉は帝都平和そっちのけでラブコメっちゃってます。
 そのおかげでゲーム中にエーとか、マジっすかとか、ガビーンとか言いたくなる部分がたくさんありますが、まあキャラゲーとは(そしてあかほりとは)そんなもんなので温かい目で見守ってあげましょう。

 しかしこれをキャラゲーなんだっっっ!と割り切ってしまうとその出来の素晴らしさに驚嘆します。
 ミニゲームの充実ぶり、クリア後のおまけ、何度も繰り返さないとコンプリートできないブロマイド、等々実にオタク心をくすぐる作りがなされています。
 またこのゲームはアドベンチャーパートと言う部分があり、ここではいくつかの選択肢が提示されることが多いのですが、新システムLIPS(なんの略かはわかんない)によって、非常に緊張感があり楽しめます。

 一方、帝都を守るために存在するシミュレーション型戦闘シーンのできはかなり悪いです。
 戦闘自体はCPUの思考ルーチンのバカさも手伝って非常に簡単なのですが、とにかく時間がかかり、ストーリー後半になると戦闘シーンがほとんどをしめるので非常にうざいものになります。
 大神一郎がネーチャンをかばうとラブラブ度が上昇し、ラブラブ度が上昇したネーチャンは能力値が向上するので活躍するという、私の心をくすぐる予定だったシステムも特に気に入った(専門用語で言うところの萌えられる)ネーチャンがいないことにより戦闘場面=このゲームに必要ない所という等式が成り立ってしまいました。

 このゲームで最も面白い部分、それはCMにありました。
 そう、せがた三四郎こと藤岡弘が野太い声でさくらさ〜んと言いながら満開の桜並木の下を、笑いながら駆け抜けるちさタローサクラ(正式名称新宮寺桜のコスプレをした横山智佐)を追いかけるというあの濃ゆいCMです。
 ジャンプ放送局で真っ黒に汚されたちさタローと、みんなのヒーローせがた三四郎が繰り広げる青春映画のような一コマに、私のハートはがっちりキャッチされてしまいました。
 
 アンゴルモアの大王のせいでアニメ化までされたサクラ大戦ですが、それの放映中に流れるCMによると、あのドキャスでまたサクラ大戦をだすそうです。
 そしてまた横山智佐がサクラのコスプレをしています。
 ならばまた、せがた三四郎をブラウン管に呼び戻すべきなのではないでしょうか。
 もし呼び戻せばPS2の売り上げなど一瞬で抜き去ることができると、私は信じています。

 もっとも、いまではせがた三四郎どころかドキャスすらいなくなってしまっているのですが。
文責 綾
BGM:SOUTHERN ALL STARS
”SIE SIDE DISC2”