ストリートファイターの頃はボタンを叩く力で弱中強を判別し、必殺技一発で体力ゲージ3分の1がなくなりました。
 あれから考えるとストリートファイターシリーズというものは、ずいぶんと長い道のりを歩み、世間の荒波にもまれ、洗練されてきたものです。
 なんだかんだいう声はありますが、やはり2D対戦格闘ゲーム(EXがついてるやつは3Dですが・・・。)のキングと呼ぶにふさわしいものだと思います。
 それなのに、ああそれなのにこのゲームはキングの威厳も誇りも価値も持っていないのです。

 このゲームはジャンクロードバンダム主演の映画「ストリートファイター」と、スーパーコンボ初登場「スーパーストリートファイター2X」を足して、シェイクしたら半分くらいスパスト2Xが流れ出ちまったんで仕方なくドク○ーペッパーを加えた感じのゲームです。
 ドクター○ッパーを混ぜた影響で、勝利デモのキャラセリフが妙にひらがなが多かったり、2Pカラーがピンクや黄色を1Pカラーの上からかけただけだったりしてますが、そんなことは大した問題ではありません。
 このゲームの真の問題点は映画をもとにしているということなのです。

 映画による問題点は大きくわけて2つあります。
 まず一つ目として、キャラはみんな映画に出演していた俳優を実写で取り込んでいる(だからガイルの足はちょっと短め、キャミイのお腹はちょっと太め、ダルシムの登場はダメ。)ことがあります
。  そのため、普通のスト2にある人間が絶対に取れないポーズの攻撃はなくなっていますし、勝利ポーズ等はダサくなっています。
 
 もう一つの問題点はキャプテン沢田がいることです。
 キャプテン沢田、こいつは映画独自の新キャラなのですが、とにかくすごいです。
 上では問題点と書きましたが、スト2じゃない格闘ゲームだったら、こいつがいることはとんでもないプラス点だと思います。
 それなのになぜ、こいつを問題点と呼ぶか。それはこいつが救いがたいバカでありイロモノだからです。
 以下マニュアルよりキャプテン沢田の説明の抜粋

 奇抜な技で注目を浴びたい君に適したミラクルニューファイターだ。沢田流ケンカ術・・・以後省略

 ここで注目していただきたいのは奇抜という2文字です。
 ストリートファイターという肩書きの効力により、奇抜といっても大したことないと思うでしょう。(事実私もそう思った。)
 甘いです。どれくらい甘いかは、次の極殺自爆陣という必殺技の説明を読んでもらえばわかると思います。
 以下マニュアルより極殺自爆陣の説明の抜粋

 極殺自爆陣
 
 ハラキリで血を飛び散らせる命がけの大技さ!当たった敵を転ばせることが可能だ!

 素敵です。古今東西、ハラキリで敵と戦った格闘家がいたでしょうか?(しかも転ばせるだけ・・・。)ちなみにゲーム中ではちゃんと「ハラキリ!」と叫んで血をまき散らします。
 キャプテン沢田は頭を蹴られるとダメージを受けますが、腹を切って血をまき散らしても体力ゲージは1ドットも減らないので、プレイヤーは安心してこの芸当を楽しむことができます。

 沢田のスーパーコンボもすごいです。
 その名もカミカゼアタック、神風アタックじゃないところがアメリカンで素敵ですね。
 もちろん名前だけじゃなく、技の性能もバカパクの10という感じです。
 カミカゼアタックのコマンドを入力後、沢田は両手を上にあげそのままのポーズで進んでいきます。
 その際、相手が波動拳とか百裂キックとかをだし迎撃されそうになっても大丈夫です。
 タフな沢田は、攻撃を受けても(ダメージはしっかり受けますが・・・。)そのままのスピードで相手に突っ込んでいくからです。
 よってスーパー頭突きを腹で押し戻したり、サマーソルトキックを腕で押さえ込んだりする姿を見られて、とても楽しい気分になれます。
 スーパーコンボフィニッシュだった場合、最後に「バンザーイ!」と叫ぶところも見逃せないポイントです。

 とっても馬鹿にしてますが、実は結構気にいってます。
 ちゃんとした「ゲーム」に疲れたとき気分転換にやると、とても楽しめると思います。
文責 綾
BGM: 椎名林檎
”無罪モラトリアム”