その日私は、実験中に低下しまくった士気を高めるため、引っ越ししてから馴染みとなった駅前ゲーセンを訪れていた。
所属勢力はガンダムハンマーで漢度を磨くために連邦とし、使用機体はガンダムハンマーで漢度を磨くためにガンダムを採り、使用武器はガンダムハンマーで漢度を磨くためにガンダムハンマーとした。
そしてサイド7に敵部隊が進入して5秒後、敵側にシャア専用ゲルググの増援が現れたのだった。
いやぁ、アクションガンダムゲーといえばバ○ダイがMSX用に出したあれが有名(えっ知らない?)ですが、この連ジをあんなものと比べられては困ります。
なにしろこちらにはサイド7とア・バオア・クーに加えて10個、なんと合計12ステージもある上に主人公MS(機動汎用戦術宇宙機器の英語の頭文字をとって通称モビルスーツと名称設定されたロボットの略記)のガンダムが動いているところも見ることができるのです。
もうコクピットに乗り込んだら、変な丸いのに弾当ててゲームクリアという世界とはさよならです。
冗談はさておき、非常によくできたゲーム(連ジの方ね)です。
あのドキャスに搭載されてる高速CPU、NAOMI(CPUではなくて高性能ゲーム基盤というのが正しいらしい S氏提供情報より)の能力を限界まで酷使して構成された美麗な3Dグラフィック画面に、もはや3Dゲームでは常識となったモーションキャプチャーで動きデータを得たガンダムやシャアズゴックやアッガイが飛んだり跳ねたり格闘したりします。
基本的ルールは連邦とジオンの2勢力に分かれ、2対2で相手の戦力ゲージ(味方や自分が撃破されると低下していく)を0にすべくビームライフルやザクバズーカやフレキシブルアームwithアイアンクローでどつきあうというシンプルなものです。
その操作もボタン四つと方向レバーの組み合わせとは思えないほど多彩な動きが可能で、本気で(すくなくともガンダム万歳な私には)MSを操縦している気になってきます。
また選べるMSも連邦4種類にジオン14種類と多種にわたり、普通のゲームではプレイヤーキャラとして使えないガンタンクやGM、旧ザクにゾックやゴッグ、そしてアッガイまでも操ることができるのです。
連ジでは多種のMSを選べると述べましたが、ランバ=ラルが待ち望んだドムと、動力パイプは小さなおしゃれであるザク2ではその性能に大きな差があります。
これを表すために各MSにはコストというものが定められており、このコストが大きいほど強い機体かつ撃破時の戦力ゲージが大幅低下ということになります。
このゲームは友人と2人で共同作戦を行うことができるのですが、2機のMSのコスト的な相性というのが非常に重要になってきます。
これを考えないと対して強くもない機体同士なのにどちらかが2回撃破されたら終わりとか、両方一回ずつ撃破されると終わり(まあ、自機が撃破されないぐらい腕があるオールドタイプか、ニュータイプな人は何の問題もないんですけどね)とかになってしまいます。
ガンダムを語る上ではずせないのがシャア=アズナブルやランバ=ラルといったキャラクター達です。
このゲームでは選んだMSに搭乗してるという設定で、パイロット名を自由に入力することができるのですが、ここでオマカセを選択すると彼らの名前が出てきます。
そして彼らをパイロットとして選択すると戦闘時にアニメ版の声優さんの声でで「見える、私にも敵が見えるぞ。」とか「ザクとは違うのだよ、ザクとは。」とか状況に即して(たとえアッガイに乗っていたとしても)言ってくれちゃったりします。
ちなみに私はマ=クべさんがお気に入りです。
敵の攻撃をよけたときには「あたりはせんよ。」とか「無駄なのだよ。」とか言ってくれるのですごく素敵な気分(でも戦闘に勝利したときに「やった!」と明るく言わないで「当然だな。」とか言ってほしかったなぁ)になれるからです。
アッガイ。
ジャブロー攻略作戦時に赤鼻がのってたMSとして有名(てーか、エピソードそれだけ)ですが、この連ジではその風貌とMS性能からアッガイたんとして、普通のMSに飽いたプレイヤーに大人気です。
貧弱な火力、ヘッドスライディングな地上格闘、足が短いぜ空中格闘、頭の中は空っぽさ撃破グラフィックスなどなどその魅力は数え上げるときりがありません。
とくに最大の強敵がガンダム(中射程、高機動、中耐久力)ではなくてガンタンク(長射程、重装甲、高耐久力)なところがマニア心をくすぐりまくってます。
まだこのゲームをやったことのない方には絶対におすすめできませんが、シャアゲルでワンコインクリアーをされた方はこの機体にも搭乗し、高性能MSってすばらしいと再確認するのもよいとおもいますぞ。
さてこのゲームは友達と協力して作戦を行う事ができるというのはすでに述べましたが、実は2台以上の台が有ればそれらは互いにリンクしており、一つの作戦を最大4人で(連邦2人、ジオン2人)おこなえるのです。
しかも乱入対戦のみならず乱入協力も可能なので、私が操るガンタンクのピンチに全然知らない人がガンダムで助けに来てくれたことも結構あります。
この画期的なシステムのおかげで、そのゲーセンでいつも会う名前は知らんが面は知っとるあいつとガンダムとゲームについて熱く語る事になる可能性もでてきました。
ゲームセンターが淑女と紳士の社交場になる日もすぐそこまできています。
20××年 ○月○日(平日) 駅近くのゲーセンにて
文責 綾
BGM: The Yellow Monkey
Punch Drunkard
BGM: The Yellow Monkey
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