私が通い詰めている研究室がある建物の名前は、自然館というのですがこの建物の門の前にベロという黒猫がいます。
 この猫は始終舌を出しっぱなしにしていたり、ずーと寝ていたりと猫はだらしない生き物と言うことを全身で表現しているのですが、最近彼の歯が抜けてきたところを見ると相当の年寄りであるみたいです。
 そう気付いてからベロとつきあっていると、あばらが感じられる位痩せていたり、よだれで口の周りをべろべろにしていたりと、年寄り猫の部分ばかりが目に付きました。
 ひょっとしたらもう長くないかもしれません。
 でも老衰で死ぬということは、餓死、凍死、事故死をすることが多い野良猫にとって非常に幸運なことと言えます。
 野良猫が老衰で死ねる、うちの大学がそんな環境であることは少し自慢です。

 だからといってうちの大学に猫を捨てに来ないで下さいね。